石留めは石を安定させる為の「石座」があって石を固定する「爪」があれば留まるという物理的な現象です。
理屈がわかっても実際は石と石の間の距離やそこに残す地金の量、石座の深さなどやってみないとわからないことばかり。失敗をして、ここはもうちょっとあれだな、とか毎回知恵を絞りながら日々勉強しています。
今回は糸ノコとフィッシャーバーで石座を作っていくヤツ、コレってすりだし石座であってます?
(ヤスリですりだすのは横のナナメ部分少しだけですね。)
・今回使用した工具達は
超硬タガネ(和彫り) オタフク槌 ミルタガネ ピンバイス(多数) 実体顕微鏡 彫刻台 リングクランプ(ロング) 歯ブラシ コジアケ ラウンドカッター(超硬) セッティングバー ソロバンバー キサゲ
ケガキ スプリングコンパス 糸ノコなどなど。
石留め前に軽く下磨きを。
受けに入ってる手拭いはなめこ探偵だっけな?息子からのプレゼント。
しょっちゅう石を落とすから、コレがないと石無くしまくります。
この石留め、っていうか爪を倒すのはコジアケでやってます。
コジアケで倒した爪はミルタガネで綺麗な丸みを成形していきます。
端の石は和彫りタガネで爪を起こして3点留めに。
しっかり磨いてピンクゴールドでメッキを。
ケースに入れたら、今どきのスーパープチな雰囲気になりました。
石留めで何度も失敗を繰り返し、慎重に進めるべき重要なポイントだと気付いたのは石座の「深さと大きさ」
これは石より大きくなったり深くなりすぎたらもうキレイに留まらないですね。
始めた当初は下穴からラウンドカッターをリューターで廻して、ガガガッガッリガリッリリィガリッ・あぅうぁわああっ!!・・って地獄をみまして。
ああなっちゃうと、もう後戻りできない。グチャグチャッと留めてごまかすしかない。
下穴からはラウンドカッターをセットしたピンバイスを使って手回しで石座を。
ラウンドカッターからセッティングバーへ付け替えるロスを減らすためにたくさん増えたピンバイス達。
使いやすいように先端を加工したり、ぶった切ったり。
しかし、最強に使いやすいのはI先生に譲って頂いたカスタムのピンバイス。
これ先端にヘッドチャックがないんです。
全体にコンパクトで非常に軽く、先端の見通しが良く、ブレも少なく、使いやすい。
ポイント固定はサイドのイモネジを六角レンチで閉めるようになっています。
ありそうでなかった、使ってみないとその凄さがわからないそんなピンバイスです。
さて前々回のバイスグリップとともにこのカスタムピンバイスも10月末に青山校舎2階KITCHENにて
限定販売します。金額やら期間やら販売の詳細は来週アップします。
カスタム工具に興味のある方はお見逃しないよう。
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